【お話・2】うちにもサンタがやってきた♪
世間では「クリスマス」と呼ばれる良き日。
メインを進めるか、裁縫師への道を究めるか……。
クリスマスの「ク」の字もないような事を、クリスタリウムの工房近くで考えていた「私」に、
「メリークリスマス♪」
やってきたのは、盟友・エネちゃん♪
「わお、サンタさん♪♪」
サンタさんの衣装に身を包んだ、いつも元気いっぱいのミコッテちゃん。
彼女の情報網、金策術、研究熱心さには、いつも助けられてばかりの「私」なのである。
そしてなにより、とってもオシャレさん。
今日も今日とて、かわいいサンタさんの来訪だ。
「やあやあ、メリクリ、メリクリ♪ サンタさんからのプレゼントだよー!」
そういって贈ってくれたのは……。
「!!!!!(声にならない歓呼の叫び)」
めっちゃくちゃかわいい、豆芝ちゃん♪
ポンと飛び出たその子は、元気いっぱい足元を駆け回る。
正直、癒される!
「かわいがってあげてね♪」
うふふ、と笑うエネちゃんに、なんとも言い難いほっこりさを感じて、うんうんと頷いた。
というのも。
「私」がいつも連れ歩いている、レッサーパンダの「ラスカル」も、この世界に降り立った当初に彼女がプレゼントしてくれた可愛いミニオンなのだ。
あれは雪深き、ホワイトブリム前哨地。
せっせとクエストをこなしていた「私」に、彼女が会いに来てくれて、ラスカルをプレゼントしてくれた。
その後、多くのミニオンをゲットしたものの、ラスカルの可愛さに勝るものがおらず、ずっと一緒にいる。
それなのに、さらに豆芝ちゃんまで!!
「エネちゃん、なんて、イイ人!」
「違うよ。サンタさんだよ。サンタさんだからプレゼント持ってきただけだよ」
そっと人差し指を口元で立てて、片目を瞑りながらさらりと言う。
そんなところも、好きだ!
「では、良いクリスマスをー♪」
少しだけ、いろいろとタメになる話を教えてくれたあと、彼女はトナカイ、ならぬ、カピバラを連れて爽やかに去っていった。
「ほんと、なんていい人」
「私」はそう言いながら、新しく仲間になった豆芝ちゃんの頭を撫でる。
「よし。今日から君の名前は「アスカ」だよ。よろしくね、アスカ」
「わんわん!」
元気いっぱいに吠えるアスカに、「私」は瞳を細めた。
そしてーーしばらく後。
エネちゃんから大量のプレゼントが、モーグリによって届けられる。
「なんて……なんて、いい人……っ!」
プレゼントを受け取り、1人、伏して歓喜の涙する「私」であった。
終
∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥
名前やら、なにやら、色々捏造してますが(笑)
同じFCの彼女は、本当に研究熱心なのですよ。尊敬する。マジで。
そして、私の中での彼女のイメージは、こんな感じ(笑)
いつか、何かでお返しできればな、と思う毎日なのです。
∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥
【お話・1】「友よ」 (ネタバレ注意)
「お嬢様。こちらの鉱材はレッドに渡しておけばよろしいので?」
うららかな昼下がり。なんとはなしに始めた「倉庫」整理の最中、エースが語り掛けてくる。
こくりと頷いてそれに返すと、彼は瞳を細めて笑みを浮かべ、同じように頷いてくれた。
常に冷静で、穏やかなエース。まるで「王子様」のような振る舞いに、心の中でこっそりとそんなあだ名をつけてもいた。
「レッド。これもお前の倉庫に入れておけ」
しかし、なんだ。自分以外に対する接し方にはいささか問題があるようにも思える。
「はあ!? お前それ、俺様に向かって言ってんのかっ!」
案の定だ。
エースのぞんざいな扱いに、まるで「シャーッ!」という威嚇声が聴こえでもするかのような勢いの彼は、レッド。ミコッテ族の彼は、怒ると瞳が吊り上がり、しっぽもぶわっとふくら……んでいるように見える、気がする。
「お前以外誰がいる」
「お前にお前って言われたくねぇなあっ!」
「お前にお前と言わずして、誰にお前と言うんだ」
「なんだとーーっ!」
また始まった。
エースとレッドはとにかく仲が悪い。こうやって何かと衝突しているのだ。
もっとも、もはや見慣れた光景であるから、無視して片づけに再度向き合うことにする。
いや、しようとした。
「まあまあ、2人とも。そんなにいがみあわなくてもいいでしょ。ね。みんな主の元に集いしリテイナーなんだからさ」
やはりそう来るか。
いがみあっている2人に声をかけたのは、リテイナーとして初めて雇った彼、ケイだ。私と同じヒューラン族の彼は、常に穏やかだ。そして、気遣いさんだ。
一応、一番最初に雇われたからという理由だけでリーダーになっている。が、案外その素質はあるようで。
「うるせぇなっ! 人の喧嘩に首突っ込んでくんなっ」
怒るレッドに、ケイがにっこり微笑んだ。
「うんうん。そうだね、そうだね。でもね。こうやって喧嘩してる間に、いくつか片づけられるんじゃないかな。そうしたら、きっと主も早く出かけられると思うんだけど……」
確かにその通り。やはりリーダーだよ、君は。
うんうん、と心の中で頷いていると、部屋の片隅で黙々と作業していた男がむくりと立ち上がった。
「おい、お嬢。お前さん……これ、忘れてないか?」
大柄の男はエースと同じエレゼン族。エースの「王子様」な雰囲気とは違い、ワルイドな彼が、のしのしと自分に近づいてきて、一枚の絵画を差し出した。
それを見て、私の目が大きく見開かれる。
『オルシュファン……』
「ははん。その顔を見るに、忘れてたようだな」
自分の顔を見て、シロがニヤリと笑った。図星を刺されて目が泳ぐ。
「ん? なんだなんだ?」
さっきまでエースとの口喧嘩に勤しんでいたレッドがやってきた。つられて、ケイとエースもやっくる。
「ああ、これが噂の。主のご友人ですね」
ケイの言葉ににこりと笑って頷いた。
「へぇ。なかなかの面構えじゃないか。ま、俺様ほどじゃあないけどな」
フフンと鼻を鳴らしながらも、興味深げにレッドがのぞき込む。
「この方は、確か、フォルタン伯爵の……」
エースの言葉に、また小さくコクリと頷いた。
「『銀剣のオルシュファン』。フォルタン伯爵、唯一の間違いでできた私生児ってやつか」
シロの言葉に、そこにいる全員が『おいっ』というジト目を向けた。
それに気づいた彼は、やれやれと小さく肩を竦めて口を閉じる。
シロの言葉に間違いはない。確かに世間では、フォルタン伯爵の唯一の間違いと言われてるが、しかし、件のフォルタン伯にも、その腹違いの兄弟たちからも、慕われていた男だ。
---私は目を閉じた。
そうすれば、その瞼の裏に、次々に浮かび上がってくる。在りし日の彼の姿が。
初めて出会った時のことを、覚えているかい。
逃れて君を頼った時、届けてくれた暖かな飲み物に、心まで癒された。
君は本当に強い男だった。体も、心も。きっとあそこにいた誰よりも強かったのだろう。
「さぁ、お嬢様。彼にも、今後の旅路を見守ってもらいましょうか」
エースの言葉に、少しだけ涙ぐんでしまった目をこすったあと、うん、と頷く。
立ち上がり、彼の場所を探した。そして、入口近くの広い壁に定める。
「へえ。なかなかの色男だな」
シロの言葉に小さく笑った。
「さぁて、じゃあ片づけを再開しようか。夜になっちゃうからね」
間の抜けたようなケイの声に、また小さくこくりと頷いた。
そう。冒険はまだまだこれから。
だからそこで見ていてほしい。
---我が友、オルシュファン。
そしてまた、楽しそうに冒険話を聞いてくれ。
終
∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥
そう。リテイナーの倉庫片づけをしていたら、ひょっこり出てきたオルシュファンの絵画。
「おったんかい!」
ってなったよね(笑)
∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵‥∴‥
始めに
FF14 Anima鯖でひっそり生息するワタクシのお話のようで、ワタクシのお話ではないようなお話を書いていきたいな、と。
中身は創作であったり、現実にゲーム内であったことだったりします。
ネタバレを含む話には、タイトルに「ネタバレ注意」とありますので気をつけて下さい。
+‥‥‥‥‥登場人物‥‥‥‥‥+
◆お嬢・主・お嬢様◆
ヒューラン・ミッドランダー女。
私であり、冒険者であり、ヒカセンであり。
よく死にます。ID、いつまで経っても苦手です。
◆ケイ◆
ヒューラン・ミッドランダー男。
主の第一リテイナー。
リーダー。とてもお人よし。みんなをまとめる力があるのかないのか。
◆レッド◆
ミコッテ・サンシーカー男。
第二リテイナー。
お調子者。とても馴れ馴れしい。喧嘩っ早い。しかし案外しっかり者、らしい。
◆シロ◆
エレゼン・フォレスター男。
第三リテイナー。
俺様。ゴーイングマイウェイ。面倒臭がりだが、案外周りを見ている。たぶん、オトナな男。
◆エース◆
エレゼン・フォレスター男。
第四リテイナー。
とても落ち着きのある「王子様」✨ 常に冷静沈着で主には穏やかだが、他のリテイナー(とくにレッド)には傲慢な態度をとることも。
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
また増えたらその都度足します。
当面はこのメンバーでお届けします(笑)
ちなみに、リテイナーの名前は偽名です(笑)